環境海洋資源学専攻

人材養成に関する目的,教育研究上の目的

 21世紀は食料と環境の世紀といわれるように,国際的に自然・環境保全と生産・開発との調和が求められ,食料生産と環境の持続性が基本にすえられています。このような社会的要請に応えるため,水産・環境科学総合研究科は「水産科学,環境科学及び両者を融合させた学際的・総合的分野の教育研究を推進することにより,環境や食料等に関する問題解決に貢献する実践的指導力を持つ高度専門職業人並びに国際性の高い研究者等の人材を養成し,環境と調和した人類の生存を実現するための新たな学際科学の創出と発展に資する」ことを基本理念として掲げています。水産食料の供給と環境保全を学問的ミッションとする水産学と環境科学は,いずれも人間と自然との共存・共生を志向しており,対象とする課題やその解決のための方法にも共通性が高く,学際融合が必要かつ極めて効果的な教育研究領域です。 そこで本研究科では,各専門分野の教育に加えて分野横断型の教育を強化することによって学際融合を実質化し,上記のような社会のニーズに対応できる人材の養成を目指します。

アドミッションポリシー

1.教育理念・目標

  21世紀は食料と環境の世紀といわれるように,国際的に自然・環境保全と生産・開発との調和が求められ,社会,企業および行政はいずれも食料生産と環境の持続性を基本に据えています。このような社会的要請に応えるため,水産・環境科学総合研究科は「水産科学,環境科学および両者を融合させた学際的・総合的分野の教育研究を推進することにより,環境や食料等の問題解決に貢献する実践的指導力を持つ高度専門職業人ならびに国際性の高い研究者等の人材を養成し,環境と調和した人類の生存を実現するための新たな学際科学の創出と発展に資する」ことを基本理念として掲げています。水産食料の供給と環境保全を学問的ミッションとする水産科学と環境科学は,ともに人間と自然との共存・共生を志向しており,対象とする課題やその解決のための方法にも共通性が高く,学際融合が必要かつ極めて効果的な教育研究領域です。
 本研究科博士後期課程環境海洋資源学専攻では,地域の課題解決に貢献するとともに,国際社会への対応力にも優れた水産科学,環境科学および両者を融合させた学際分野の実践的な研究者を養成します。本専攻には以下の2つのコースがあります。
「水産科学コース」では,海洋食料資源を安全かつ高度に利用し適正に管理する新たな知識や技術を修得させます。
「環境科学コース」では,環境問題の解決および環境と共生する持続可能な社会の構築に貢献する幅広い専門知識を修得させます。

2.求める学生像

 本専攻では,上記の専門知識や技術の修得に興味を持って取り組む熱意のある人で,それぞれのコースに関連する科学について修士修了レベルの基礎・専門知識と学力を持った人を国内外に広く求めています。

3.入学者選抜の基本方針

 広く学生を求める観点から,選抜方法を一般入試,社会人入試,外国人留学生入試および進学者選考を設けて,各々の入試において学力検査を実施します。なお,出願にあたっては,予め主たる指導を希望する指導教員と面談を行ってください。

4.選抜方法

本研究科の定める出願資格(詳細については募集要項をご覧ください)を有する者に対して,下記の4つのいずれかの入試を実施します。
【一般入試】
 書類審査,筆記試験(専門科目および英語)および面接(口頭試問を含む)を行い評価します。
【社会人入試】
 入学時において同一企業等に2年以上正規職員として勤務し,所属長の許可を受けた者を対象に,面接(口頭試問を含む)を実施します。
【外国人留学生入試】
 面接(口頭試問を含む)を実施します。
 対象となるのは,有出願資格者のうち日本国籍を有しない者となります。
 ただし,日本の大学を卒業し,さらに日本の大学院の修了者および修了予定者は除きます。
【進学者選考】
 本学の大学院博士前期課程または修士課程修了予定者を対象に,筆記試験(専門科目および英語)または面接(口頭試問を含む)を実施します。

カリキュラム・ポリシー

水産科学コース
 海洋食料資源を安全かつ高度に利用し適正に管理する新たな知識・技術を提供する実践的指導者および研究者を養成するため,海洋環境・資源,漁業生産,生物機能,物質科学,食品科学等の多様で幅広い学問分野の高度な学識を修得させます。 2つの教育コースの共通科目として,複数の教員による分野横断型の特別講義や,実学的経験を重視した関連施設における実習,海洋上における乗船実習等を導入しています。また,他研究機関の研究者で構成される連携講座の講義科目を通じて地域や現場における諸問題に触れさせることにより,研究の実践能力を高めることとしています。 コース内に海洋生産システム科学,海洋資源動態科学,海洋生物機能科学,海洋生体物質科学,海洋資源生態学の教育研究分野を設け,専門領域での特色ある高度な理論や研究手段を修得できるように多様で専門的な講義科目を開講し,海洋環境・資源,漁業生産,生物機能,物質科学,食品科学等に関する多様で幅広い特色ある講義科目を選択必修として配置しています。 また,特に幅広い観点から問題解決能力および独創的研究能力を養うために「特別講義」,「特別演習」を,専門領域に関しての視野の拡大を目指して「学外実習」を開講しています。

環境科学コース
 細分化された従来の学問分野を越える融合型・相関的な総合的アプローチにより,人間と自然との調和的共存・共生を志向する環境科学に関する研究教育を推進します。そして,環境問題を解決し,環境共生的な持続型社会の構築に貢献することのできる実践的指導者および研究者に必要とされる幅広い知識と高度の専門性を修得させます。  そのため,コース内に環境設計・解析学,環境化学,環境生物科学,社会文化環境学,環境政策・管理学の教育研究分野を設け,専門領域での特色ある高度な理論や研究手段を修得できるように多様で専門的な講義科目を開講し,環境共生政策,資源循環,環境保全技術等に関する文理融合型の特色ある講義科目を選択必修として配置しています。  また,特に幅広い観点から問題解決能力および独創的研究能力を養うために「特別講義」,「特別演習」を,専門領域に関しての視野の拡大を目指して「学外実習」を開講しています。


ディプロマ・ポリシー

 博士前期課程3専攻(水産学,環境共生政策学,環境保全設計学)において修得した各分野における専門的な知識基盤の上に立って,より高度の専門性と総合性を身に付けることによって国際社会への対応力にも優れた実践的指導者・研究者を養成します。 水産科学コース 海洋食料資源を安全かつ高度に利用し適正に管理する新たな水産科学の知識・技術を備えるとともに,地域や現場のニーズに対応した総合的な問題解決能力及び国際社会への対応力を身に付けた実践的指導者・研究者を養成します。 環境科学コース 環境問題を解決し環境共生的な持続型社会の構築に貢献する幅広い知識を基盤とし,環境科学の高度の専門性と国際社会への対応力とを身に付けた実践的指導者・研究者を養成します。

学位論文審査基準

 博士学位論文は、水産科学・環境科学及び両者を融合させた学際的・総合的分野に関連する内容で、独創性、新規性、普遍性、論証性などの高い学術的価値が含まれ、かつ学術論文として論理的にまとめられた完成度の高い論文でなければならない。 学位論文審査を申請する者は、それに加えて論文審査を終了するまでに以下の基準を満たしていなければならない。

1)博士後期課程修了に必要な本研究科授業科目の単位修得が見込めること。
2)本研究科のディプロマポリシーに定められるように、修得した各分野における専門的な知識基盤の上に立って、より高度の専門性と総合性を身に付け国際社会への対応力にも優れた実践的指導者・研究者として自立して研究活動を行う能力、及びその基礎となる学識を有することを示す客観的な資料(公表論文)があること。
3)2)の客観的な資料(公表論文)は以下の要件を満たすこと。
 ① 課程修了認定のための学位論文の内容に含まれる公表論文は,主内容が審査制度の確立された学術雑誌に1編掲載された(掲載が決定された)ものがあり,更に掲載された,あるいは掲載されると判断される論文が1編以上あるものとする。
 ② 上記公表論文は、原則として博士後期課程在籍期間内の公表とする。

 上記公表論文数は学位論文審査における必要条件である。そのため、学位論審査においては、当該公表論文の性質、内容や執筆経緯、学位論文との適合性を含めて総合的に評価するものとする。それに加え、学位論文本体の完成度の高さと学術的価値が求められる。予備審査を終了し、公開形式の論文発表会を行うとともに、学位審査委員会、博士後期課程・博士課程委員会、研究科教授会において博士の学位にふさわしいものと認められる必要がある。

 なお、詳細については、学位審査規程を参照