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研究科長あいさつ

水産・環境科学総合研究科長 武藤 鉄司








水産・環境科学総合研究科長
                武藤 鉄司
 

食と環境の時代

「食と環境の時代」と呼ばれる21世紀にあって,現代社会は食料と環境に関わる数多くの困難な問題に直面しています。そのどれ一つをとっても解決には程遠い状況であり,世界も地域もますます混迷を深めつつあります。 問題がなかなか解決できない原因は複合的ですが,一つにはそれらの解決に取り組める人材が決定的に不足していることが挙げられます。 食と環境の問題に取り組む有為の人材を育成するうえで,水産科学と環境科学が,また社会科学と自然科学が密接に連携・協働する,総合的な研究科が必要であり,それは社会の要請でもありました。 2011年4月に設立された水産・環境科学総合研究科は,スタート時点からそのような使命を負っていたのです。 本研究科では、水産科学と環境科学との融合を推進して、食と環境の問の問題解決に深く貢献する高度専門職業人や国際的研究者の育成に取り組んでいます。

多様な教育研究分野

水産科学と環境科学はいずれも自然と人間社会のあり方を考える学問です。研究の対象も分子のようなミクロの世界から、地域、国、そして地球規模の問題を扱うものまで、きわめて多様です。 具体的な研究分野として、水産科学領域では多種多様な海洋生物を対象とした基礎研究に加えて、海洋環境、漁業生産、水産物の流通・経済まで、水産業が抱える現代的課題の解明を目指し、 環境科学領域では環境政策、地域環境計画、気候変動、生物多様性、環境汚染や放射能を扱う研究、自然エネルギーの研究等々、地球環境と人間社会の調和を目的とする研究など、いずれも多岐にわたっています。 また、これらの領域の融合の例として、長崎大学の重点研究課題の一つに取り上げられている「近未来海洋への適応研究イニシアティブ」では、地球温暖化が海の環境や生態系をどう変化させるかを研究し、 その変化に応じて海洋生物資源の生産・利用を図ろうとしており、海の恵みを持続的に利用する上で重要な課題です。 本研究科は約90名の教員が、180名を超える大学院生、若手研究員と共に、多種多様な研究活動を展開しています。 本研究科で勉強してみたい,研究活動に参加してみたいと考えている皆さんは、ぜひ私たち教員のホームページをご覧ください。興味のある研究分野がきっと見つかると思います。

地域とグローバル社会での水産・環境総合科学

水産科学や環境科学という学問分野は、地域で得た研究成果が、そのまま世界の最前線の研究になる分野です。 そして海と森と空で囲まれた変化に富む地形と多くの島々をもつ長崎は、この分野の教育と研究を行う上で、最高の条件を備えています。 昨年度新たに発足したアジア環境レジリエンス研究センターもその一助となるでしょう。私たちの大学院は、これからの時代の地方大学にとって、まさに相応しい大学院だと言えるでしょう。 世界に目を向ければ,本研究科が特に力を入れて交流している大学が,中国,韓国,台湾,フィリピン,ベトナム,マレーシア,インドネシア,オーストラリア,ベルギー,ノルウェー,スウェーデン、スコットランドなどにあります。 台湾の二つの大学との間ではダブルディグリー制度が設けられています。これらの国々の大学との共同研究には、水産学部付属の練習船長崎丸も活躍しています。 また、長崎大学が熱帯感染症の拠点を置くケニアにおいて、ビクトリア湖の環境保全と水産振興のための研究プロジェクトを工学研究科と共に発足し、我々の研究チームが活動しているところです。 これらのリソースを活用した教育研究を推進すると共に、地元自治体との包括連携協定を活用し、地域の産業界や自治体と連携した人材育成や、地域にイノベーションをもたらす研究活動に取り組んでいます。私たちは、社会に拓けた大学院です。 安全で豊かな社会を築き、未来の人々に豊かな生活と実りを贈ることができるよう、一丸となって邁進してまいります。

2017年4月                  
水産・環境科学総合研究科長 武藤 鉄司

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